エッセイ

私と事業承継

 私の専門は事業承継と法人税法で、あとは、今、東京税理士会から派遣されて早稲田大学で勉強している租税訴訟関係でしょうか。

税理士もお医者さんと同じで専門があります。

 事業承継って分野は【税務の最高峰】だと私は勝手に自負しています。なぜ?株式評価の中には不動産評価、営業権評価、その他資産負債の評価があります。評価方法はもとより評価を下げる方法を知らないと提案が出来ません。株式ということは法人税法の知識は必須です。長い間、中小から上場企業までの法人税務に携わりました。法人税法といっても 株式=資本金等 になりますので、法人税法で難易度が最も高い 純資産の税務 を扱うことになります。さらに株式を売った、渡した、買い取ったとなると、所得税、贈与税、法人税、配当等、必然的に効果をみるうえで税計算もついてきます。
 つまり、法人税法、相続税法、所得税法、会社法等・・・各個別税法や周辺諸法にまで精通しないと対応できないのです。

私と事業承継
 某都市銀行本店のコンサルタントの提案業務に会計事務所スタッフとして関与したことが、私の事業承継が始まりました。銀行のコンサルタントがお客様に提案するものを、私が一通りリーガルチェックし、更なる提案を加えたりもします。銀行のコンサルタントも相当な知識量です。名実ともに国内トップレベルの案件がゴロゴロありました。当時、毎日、事業承継案件だけやっていましたので、そりゃ~詳しくなります。お医者さんと同じで同じ手術ばかりやっていたら、私に限らず上手になりますよ。
 お客様を提案内容で銀行間で取り合いになりますが、このレベルになりますと、どの銀行も提案内容はほぼ同じになります。つまり、答えは一つなのです。

ただ、少し弱点があります。

 銀行の目的は貸付をしたいということです。また対象会社は優良企業ですので、貸付を通じてお付き合いを継続したいのです。だから、このような企業は都市銀行間で壮絶な取り合いになっているのです。場合によっては我々もお客様のところに説明にあがります。

銀行の立場上、『借入をしなくても』ないしは『最も少ない借入』で株式承継を達成する提案が ホント弱く なります。笑。

 私は独立してからも事業承継提案をしていますが、 都市銀行 V.S. SAS になると、銀行の名前に『SAS』が負けることがあります。笑。提案内容は負けていないのに・・・借入していないのに・・・コスト最小なのに・・・税金の最適化も図れているのに・・・私も向こうの人間だったことがありますので、わかりますが・・・
 お客様に説明しきれなかったってことでしょう。人間関係が構築できなかったってことでしょう。銀行の提案と私の提案を比較して、すべての提案の違いを私の提案のメリットに変えて説明ができたとしても、ノーヒットノーランしたぐらいの感覚で理論的に説明ができたと思っても、勝てない時は勝てません。残念ですが。私、まだまだですね。

最も少ない税金(税金の最適化)で
問題を生じさせず(安定議決権の確保)
株式を後継者に承継すること。
これが私の事業承継案件のゴールです。

現在はお客様と十分な相談を重ねて、希望を取り入れながら、お客様側にたったご提案をしております。

何かありましたら、ご相談下さい。
随時 相談やっていますので。

SAS Tax Artist Office
税理士 水島洋之

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