エッセイ

★新春寄稿第1号:金田崇税理士★ 医療法人税務の現状と取り扱い

★OAG税理士法人時代の後輩・金田崇税理士から『医療法人税務』についての新春寄稿・第1号!
★医療法人税務一切の案件に関しては、金田崇税理士にお任せしている。

あけましておめでとうございます。
新春第1号・寄稿回になります。

【医療法人税務の現状と取り扱い】

医療法第39条により医療法人の形態は「社団」と「財団」に分けられ、さらに「社団」は「持分のある医療法人」と「持分のない医療法人」とに分けられます。

平成18年の医療法改正により、平成19年4月1日以後、「持分のある医療法人」を設立することができなくなりました。そのため「持分のある医療法人」は、当分の間存続するという点で「経過措置医療法人」と言われています。しかし、医療法人全体の約75%がこの「経過措置医療法人」です。

医療法において、「持分とは、定款の定めるところにより、出資額に応じた払戻し又は残余財産の分配を受ける権利」と規定されています。これには幾つかのリスクが存在します。

社員が退社する際には、社員の出資額に応じて、社員の退社時点における医療法人の時価で払戻しを行わなければなりません。キャッシュが潤沢にある医療法人であれば問題ないかもしれませんが、払戻しを行ったことにより経営状態が悪化する、払戻しを行ったことにより即倒産するという医療法人が多いのではないでしょうか。

持分には財産的価値があるので、相続税が課税されます。出資者の相続人は、相当な相続税の負担が生じます。相続税の支払いができない相続人が払戻請求権を行使してくるかもしれません。医療法人の時価で払戻しを行う必要があります。出資者が複数人いて、相続税の課税を逃れようと、ある出資者が持分の放棄をしてくるかもしれません。その他の出資者にみなし贈与税が課税されます。また、出資者全員が持分放棄をするかもしれません。医療法人を個人とみなして、医療法人にみなし贈与税が課税されます。もちろん、医療法人で支払った贈与税は経費になりません。

これらのリスクが発生したことにより、医業の継続が困難になることなく、その医療法人が引き続き地域医療の担い手として地域住民に対し医療を安定的に提供していけるようにするため、「持分のない医療法人」への移行促進策が講じられました。「認定医療法人」という制度です。

上記のようなリスクが心配な先生は、この「認定医療法人」制度を利用した「持分のない医療法人」への移行を検討されるのが得策です。なお、「持分のある医療法人」のままが良いケースもありますので、実際に検討される際には是非一度ご相談ください。

★★★★★★★
~ Tax Artist Profile ~
金田 崇 Takashi KANEDA
栃木県出身
医療法人税務に特化する為、OAG税理士法人退職後、医療法人税務の国内有数な会計事務所にて、医療法人税務、医療マネジメント等のスキルを修得し、満を持して、新春に開業。その縁起に肖り、新春第1号寄稿を医療法人税務をテーマに頂戴する。

ありがとうございました。
現在、SASでは医療法人税務一切に関して、税金の最適化を導ける金田崇先生をご紹介致しておりますので、ご用命がございましたら、是非ご相談下さい。

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