相続税対策と不動産取得!の落とし穴?
相続税法も日頃研究していますが、今回はじめての寄稿になります。
事業承継が私の専門なので、事業承継ネタが先行したのが理由です。
相続税対策といえば不動産の取得っていうのは
既に世の中の周知の事実であることは否めません。
なぜなのか?
相続税の計算を規定してる『相続税法』等にその理由は存在します。
では、規定文をみてみましょう!
相続税法§22
『この章で特別の定めのあるものを除くほか、
相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、
当該財産の取得の時における時価により、
当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、
その時の現況による。』
→ 相続財産について本法では『時価』と明文化しています。
財産評価基本通達1(2) 時価の意義
『財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期において、
それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で
自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、
その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。』
→ 上記時価の意義をこの通達によって評価した価額によると!
→ 前回のエッセイのテーマ
税理士はやはり通達に支配されていますよね?笑
一例で『建物の評価』を『通達』でみてみましょう!
財産評価基本通達89 家屋の評価
『家屋の価額は、その家屋の固定資産税評価額に別表1に定める
倍率を乗じて計算した金額によって評価する。』
→ この評価額が実際の購入価額に比べて、
大幅に低い評価額になることが大半なのです。
通達による土地の評価も同様なのです。
これが不動産の取得が相続税対策といわれる所以なのです。
ここから先の話がプロの話です。我ながらに面白いです!
通達の中でしれっとこの様なことを言っています。
財産評価基本通達6
『この通達の定めによって評価することが著しく不適当と
認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。 』
→ その評価は国税庁長官の指示によってひっくり返るってことです!
つまり、通達で評価した建物が本法§22の『時価』ではない!
ということが起こり得るのです。通達通り評価しても。
それが、あまり知られていないのですが、一定の条件が揃えば・・・
ロンです!失礼しました。麻雀用語です。笑
財産評価基本通達6が適用されているってことです。
そんな単純じゃないのです。相続税対策って。
知らないとやけどしますよ!額面通りやっていたら。
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不動産業者の方も!
SAS Tax Artist Office
租税訴訟補佐人・税理士
水島 洋之