重加算税を考える

明けましておめでとうございます。
新年1発目です。ちょっと重いテーマですかね。
スタートで戒めて頑張ろうと思って頂けたら幸いです。
今年も継続して更新したいと考えております。

早速本題ですが、税金でインチキすると重い罰が待っています。
あっ！間違えた！ってことが、
指導とかで許されない場合ってあるんですね。
それが納税者が理解されていないことは良くあります。
吉本芸人が無申告をして重加算税を課せられ、
謝罪会見をして出演が激減しました。なぜ？？

憲法§30
『国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。』

憲法が定める国民の三大義務の一つに数えられることに尽きます。

憲法§98①
『この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。』

また、これが憲法が自ら定める国の　最高法規　であると。
つまり、法律の中の　キングオブキング　なんだと。

吉本芸人はキングオブキングが定める納税を怠ったわけです。
全日本国民が守っている義務　納税　をです。
企業がサポートしにくいですよね。
国民にみられることを職業にしている芸人を。

憲法を知って何となく　納税　の立ち位置を理解できたかと思います。

日大の田中前理事長は申告していないってことで、
所得税法違反で　逮捕　されました。
金額が僅少であれば、吉本芸人のように、
国税通則法で定める　重加算税　になったのではないか？と私は考えます。
賄賂はそもそも　隠蔽　だったわけですから、
隠蔽に直結していますから、疑いの余地なく　重加算税　は確定ですよね。

国税通則法§68①
『第六十五条第一項（過少申告加算税）の規定に該当する場合において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。』

何をしたら　重加算税　とか　逮捕　になるのか？

あっ！間違った！が課税当局と認識が一致すれば、
過少申告加算税とか無申告加算税になります。

本法では『隠蔽し、又は仮装し』を要件としていることがわかりますね。
ここが分かれ目ですかね。
過少申告加算税と無申告加算税　→　重加算税 or 逮捕。　
ちょっと笑えないですよね。逮捕って！

大阪城のたこ焼き屋さんは無申告で逮捕され泣いて謝ったと。
反省したことで刑罰は軽くなるかもしれませんが
行政罰を超えました。金額的に。手遅れですね。
ただ、ここまできたら泣いても変わりません。
法で定める罪を償って下さいって世界です。
前科ですね。恐いですよね。
脱税で反社会的と同等の扱いになることでしょう。

重加算税の裁判を読んできて感じることは、
重加算税か過少申告加算税かの判断は、
納税者の意思は反映されないってことです。
『外部からみて窺い知れる特段の行動』です。
つまり、客観的に　納税者の行動　だけをみて
仮装や隠蔽と感じる　特段の行動　があったか否かってことです。
脱税するつもりはなかった！という意思は、
残念ながら判断には関係しません。
※ここでは税金を少なくする行為を　脱税　と表現します。

吉本芸人は危なかったと思いますよ。
逆に重加算税で収まって良かったですかね。

納税の重さを税理士は日頃から納税者に啓蒙することが大切です。
租税教育があれば、この世界に納税者が自ら踏み入ることはないでしょう。
だって、誰が聞いたって恐いじゃないですか。
納税が軽い話ではない理由は前段の説明で何となくわかるじゃないですか。
そもそも自身が仮装とか隠蔽したって不名誉だと思いませんか？
私なら絶対嫌です。

今年も日頃から納税の大切さを啓蒙し続けます。
興味がありましたら、ご相談下さい。
よろしくお願い申し上げます。

租税訴訟補佐人税理士
TaxArtist®水島洋之