エッセイ

たかが法人申告書、されど法人申告書!

3月決算の申告・納税の期限を5~6月に迎えます。
私は所得税の申告よりも法人申告がメインですので、
俗にいう 繁忙期 というやつです。
毎日、法人申告書とにらめっこしています。
「該当する・しない」当てはめの連続です。

今回は法人の申告書について触れたいと思います。

申告書をみれば、計算が間違っていなくても、
作り手のレベルや熱意が伝わってきます。
別表〇っていうように申告書には番号が付されています。
税理士はその番号で認識しています。
その番号ごとに税法の蘊蓄が語れるぐらい奥行きがあります。

〇別表一 
事業種目に何が入っているか?
マグロ仲介業 って記載をみたことがあります。
一般の方に説明するなら、全然いいのでしょうけど。
法定代理人の税理士が作るものとしてはどうでしょうね?

〇別表二 
法人税法の規定がたくさん詰まっています。
なぜ、株主構成が必要なのか?
なぜ、議決権の枠が別にあるのか?
10人いたら株主はいくつ記載が必要なの?
続柄:知人 笑いをとったのでしょう?

〇別表四、五 
申告書の核となる§22が表現されていて
会計と税法の融合の場になります。
利益・損失から始まりゴールが所得です。
また新旧でその時代の処理がみえることがあります。
会計処理が新しくなれば表現も変わります。
ここを間違えれば、計算間違いになり、
正しくない 税金 に直結します。


〇別表七
事件の現場になることが多いです。
大概、大事故です。軽症はみたことないです。


〇別表十五 
税法まんまの代表格です。



税務署職員はいろいろな申告書を毎日見ていますから
もっともっと敏感に感じることがあるでしょう。
決算書や勘定内訳明細書からも当然みえるものもあるでしょう。
調査官からしたら、申告書の内容から、
調査前の時点で勝敗がついているのかもしれません。
それぐらいの表現がされているといっても過言ではないのでは?

法人申告書は決算書と別に納税者の
もう一つの成績表なんです。戦いの報告書なのです。
各者の365日の真剣勝負のドラマがあります。
なので、作り手もそのドラマを受け入れるだけの
準備と覚悟がないと失礼だと思います。

法人申告書は税理士が納税者の代わりに
表現を託された 神聖な舞台 です。

たかが法人申告書、されど法人申告書!
一般の方には明らかに見えない世界があると思います。
ご興味があれば、いくらでもお話します。
どうぞご照会下さい。

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租税訴訟補佐人税理士
TaxArtist®水島洋之

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