今回は税務事故No.1の消費税について触れたいと思います。
税理士業界新聞に出ていた内容です。
2016年度税理士賠償責任保険適用案件が493件ありまして
そのうち消費税に関するものが221件になります。
全体の44.8%が消費税による事故ってことになります。
私からしたら、うん~そうだろうね。って感じで想定内ですかね。
この事故は解釈とか通達と異なる処理とかではなく
完全なうっかりで手遅れ系が大半なのです?
うっかり?手遅れ?笑。
消費税の事故には重要なポイントが3つあるかと考えております。
1 課税事業者選択届出書
改正前は消費税還付のハードルが低かったので、
設立初年度にこの届出を提出した事例をよく目にしました。
この届出の効果は永遠に続くことがポイントなのです。
→ 通常の納税義務者でないものが、納めることが出来るってことです。
※逆に納めるものを選択して、還付した歴史があるのです。
また効果を得るためには届出書の提出期限があります。
→ 嫌らしいですね。手遅れがここに生じます。
2 簡易課税制度選択届出書
1同様1度提出しますと、その効果が永遠に継続します。
更にこの課税方式は消費税還付を受けることが出来ません。
→ 恐い感じですね。還付できないって。
課税売上に対して納付する消費税が確定するからです。
また、1同様に効果を得るために届出書には提出期限があります。
→ 手遅れが生じます。
3 納税義務者の判定(特定期間によるもの)
納税義務者の判定で数年前に改正されたものです。
新たに導入された制度であることと
お客様とのヒアリングが重要であることです。
→ 設立時に事故の原因が集中しているかと考えられます。
この3つが原因で消費税事故の大半が説明がつくのではないでしょうか。
そこで対策はどうする?
法人のお客様は過去の届出を紛失しているケースが散見されます。
その為、新規契約時にはどの届出を過去に提出したのか確認することで
1.2の事故が防げると考えます。
紛失しているのであれば、所轄税務署で照会をすればいいのです。
そこで、1.2の届出書が提出済みが確認できれば、
あえて、両者の選択不適用の届出書を提出するのも事故対策と私は考えます。
私はあえて提出しています。長期的にみて、人間の記憶なんか信頼できませんので
会社にとってニュートラルの状態に戻す方が、原則になりますので、
事故の確率が下げられると考えているからです。
※選択不適用の届出書には提出期限があります。
問題は3です。
会計期間と売上と役員給与が判断材料となります。
私の場合、設立前から関与できないケースは事故リスクと考えております。
なので、1期目から税務顧問契約を締結する場合は十分なヒアリングを重ねます。
あとは新制度なのでその内容を税理士がしっかりと把握するってことです。
日頃、税務の仕事に追われると、気を付けないといけない!とわかっておりながら、
何かが抜けて、事故に該当してしまうことがあるのは、
やってる側としては、何となくですが理解ができます。
3に関しては勉強不足が原因であることもあるかとは思いますが。
ただ、該当したら 笑えない話 になります。間違いなく。
間違った話に触れることがこの仕事の財産だと思っています。
税理士新聞にも必ず出ていますので、読んでいます。
消費税のことでもご相談下さい。
SAS Tax Artist Office
租税訴訟補佐人税理士
TaxArtist® 水島洋之