租税裁判と税務調査

あまり皆さんは裁判とは縁がないかもしれませんね。
租税の訴訟補佐人登録を前にその重要性について触れてみようと思います。

訴訟補佐人制度は租税裁判にだけというものではないのですが、やはり国が相手の場合を想定して、カリュキュラムが組まれています。行政法、国税通則法、民事訴訟法、租税判例研究、租税法研究。指導教員は全員、租税について造詣が深い先生方です。日本を代表する学者、弁護士、元裁判官、元財務省官僚です。間違いなく日本の頭脳の宝です!

租税裁判はほぼ税務調査から事は起こります。極端に申し上げれば、ここでの対応が将来の裁判の勝ち負けを決めると言っても過言ではありません。私も補佐人講座に参加するまではこの世界がみえていませんでした・・・
国の処分に対して争うのですから、将来的にどこを焦点として争うのかが調査対応で決まるのです。立ち会う税理士がそれを見極めることが、とても重要なのです。勝てない裁判をしてもロスです。租税裁判って何も得られないのです。まさしく、名前の通り『取消訴訟』だからです。

『武富士事件』は業界では有名な裁判なのですが、租税回避をして、逆転勝訴を勝ちとったのです。その争いの焦点が『住所』の概念だったのです。これを争点とした裁判に導いたって事です。もちろん、これも入り口は税務調査です。裁判を見越してテクニカルな対応があったものと考えます。

税務調査 → 税理士による対応 → 行政処分
税理士による対応に対して、税務署は処分を行います。
処分がないことが平和的な解決をしたということになります。
ただ、どうしても納税者側が受け入れられないことがあったらどうするのか?ってことなんです。

あとは税務調査=行政処分ですので、出訴期間との闘いです。手続きを知らないと、泣き寝入りになります。つまり、一定期間が過ぎると何も出来ないですし、角度を変えて訴訟が出来たとしても、納税者が極めて不利な状況に置かれてしまうのです。

つまり、あらゆる点で入り口の『税務調査』がとても重要であるってことです。勝敗を決めるってことです。それに立ち会うのは税理士です。まだまだ税務調査について、私は触れていないことがたくさんあります。とても奥が深いのです。

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SAS Tax Artist Office
税理士 水島洋之